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街をぽくぽく歩いてみれば

『わたしの台南「ほんとうの台湾」に出会う旅』一青妙著(新潮社)

台中から戻る列車の中で、80代のおじいさんと隣り合わせになった。
私が大きな袋を抱えているのを見かねたのか、
「上にあげましょうか」とおっしゃった。日本語で。

それをきっかけに、おじいさんが降りる駅まで、
いろいろな話をした。

私が訪ねた鹿港の昔の話のやら、戦争中の話やら…。

ふとしたとき、
「台南はいいですよ。一度行ってみなさい」
と、おっしゃる。

なんでも、台北とはまったく違うんだそうだ。
気候しかり、食べ物しかり…。
そして、食事が本当においしいらしい。

そんな話を聞いたせいか、台湾から戻ってから、
「台南」が気になりだした…。
そこで手に取ったのが、この本。
『わたしの台南「ほんとうの台湾」に出会う旅』一青妙著(新潮社)_e0228240_20345377.jpg

この本を読んで、さらに台南の魅力がグイグイと増してきた。

女優の一青妙さんの台南に魅了されている、その思いがビシビシ伝わって来た。
彼女が子どもの頃過ごした台北。大人になって久しぶりに訪ねてみると、すっかり様変わりしてしまったらしい。まるで東京のように妙にこぎれいになってしまったその街に、違和感を感じた。
そんなとき、ふとしたきっかけで台南に行ってみると、そこにはかつて過ごした街の風景が残っていたという。

どんどん近代化されて、経済発展していった台湾は、昔あった人間臭さのようなものが失われつつあった。一青妙さんが感じたように、最近は台湾の人もものたりなさを感じて、古きよい風景の残る台南の街を訪れる人が、最近とても増えているらしい。

かつて、台北や高雄に経済の中心が移り、経済的に取り残されてしまった街が
今では台湾の人たちにも魅力的な場所に写っているようだ。

そういえば、
私が訪れた台中の鹿港もそんな街の一つだった。
古びた街の風景が観光資源として見直され、私のような観光客がやって来る場所になった…。

失ってみてはじめて、実は大切なものだったと、気づくものなのかも…。

次回は、是非とも台南に行ってみたいなぁ。



by bono1504 | 2015-01-20 20:50 | 街歩き関連の本・記事

釜山で3年半滞在後、帰国。釜山時代以降、街歩きが趣味になりました。
by bono1504
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