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街をぽくぽく歩いてみれば

台南・鹽水~食堂のご主人の微笑み

この街で一番印象に残っているのは、
偶然入った食堂のご主人のやわらかな笑顔だ。

この日、
朝6時ぐらいから動き回っていた私は、9時半の時点で、すでにお昼前のお腹のすき具合。
台南・鹽水~食堂のご主人の微笑み_e0228240_12205889.jpg

と、煮物のようないい香り…。
実直そうなご主人が、もくもくと料理を仕込んでいるよう。

店に入ってくと、お店のご主人はキリリと、
「まだ、準備中なんですよ」(と言っているよう)

時計を指さしながら、何時ぐらいから食べられるか、身振り手振りで聞くと、
どうも10時すぎらしい。

しばらく、近所をひとまわりしてから、再び店を訪れると、
窓際でお食事中のお客さんがいたので、安心して店内に入る。
台南・鹽水~食堂のご主人の微笑み_e0228240_12273993.jpg

「ちんげいうぉ~じぇえご(これください)」
メニュ-を指さしながら注文。
(鱈魚丸湯と火鶏肉飯)

満足そうにうなずいたご主人は、準備に取り掛かる。

料理が運ばれてきた。
台南・鹽水~食堂のご主人の微笑み_e0228240_1226636.jpg

火鶏肉飯はふんわりと柔らかく、ほのかに甘辛い。
鱈魚丸湯も、やさしい味。

私がモリモリ食べているのを遠目で見ていたご主人は
いつの間にかそばにやってきて、
どこか、おごそかな雰囲気で、こう尋ねる。

「お味の方はいかがでしょう?(と言っているよう)」

「はおち~(おいしいですぅ)」

その言葉を聞くと、ご主人の顔もほころぶ。

ス-プをすっかり飲みほし、会釈して店を出る時、
ご主人はふわりとやさしい笑顔で見送ってくれた。

やさしいス-プの味と、おじさんのやわらかな笑顔。
それに出会うために、この街にやって来たような気がした。

今日も、あのご主人は、
あの上品な微笑みをたたえながら、お客さんをもてなしているんだろうな。



by bono1504 | 2015-04-16 12:32 | 台湾をぐるぐる

釜山で3年半滞在後、帰国。釜山時代以降、街歩きが趣味になりました。
by bono1504
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