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街をぽくぽく歩いてみれば

声 いつまでも親に甘えられない(7月6日朝日新聞朝刊オピニオン)

高校生の投書を読む。
妹が親に対してひどく反抗するのを見て、
「他人にしてはならないことだとわかっていながら、反抗的な態度を取ってしまうのは親への甘え」だと、バッサリ。
「正面から向き合ってくれる親に感謝しなければいけないと思うし、いつまでも甘えてはいられない」と結んでいた。

これを読んだとき、たしかにそうだけど、なんだか冷たいなぁと思った。
まだ親に甘えていい時期なんじゃないかな、と。
きっとしばらくしたら「なんであんなこと言ったんだろう」と振り返る時期が来るんじゃないだろうか。

そんなことを思いつつパラパラ紙面をめくっていると、
「ひととき 絵手紙に背中を押されて」という読者の投稿に目が留まる。

60歳の主婦は、幼い頃から両親の言うとおりにしてきた、いわゆる「いい子」だった。母の言動をきっかけに「40歳でグレた」という。いい娘、いい妻でいることに疲れて、両親と絶交してしまったそうだ。

それでも両親は彼女に毎月手作り野菜を送り、彼女は両親と同居する弟を介して「届いたコール」をしていた。そんなとき母ががんで入院してしまった。迷った挙句、絵手紙を送った。その後、迷った末に、お見舞いに行った。すると母は笑顔で迎えてくれて、その枕元にはお見舞いに送った絵手紙が飾ってあったという。
それをきっかけに和解できたようだ。

「先日還暦を迎え、人生を振り返ってやっと分かった。私は母に甘えたかったのだ。わがままをいっぱい言いたかったのだ」と最後に記していた。

後の投稿を読んで、グッとくるものがあった。
年を重ねると自分にも、周りにも寛容になってくるものか、そんなことを感じたからだった。



by bono1504 | 2013-07-06 11:28 | メディアや読書から思う

釜山で3年半滞在後、帰国。釜山時代以降、街歩きが趣味になりました。
by bono1504
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